極み昆布水の完成までにあった試行錯誤

あれこれ

「昆布水つけ麺って、なんとなく上品そうだけど自分が食べに行っていいものか……」と思ったことはありませんか?

実は、うちに来てくださるお客さんの中にも、最初はそういう気持ちで入口で少し足踏みした方が少なくありません。でも一度食べてもらえると、「なんだ、普通に入れるじゃないか」と言ってくれる。それが僕にとっては一番うれしい言葉だったりします。

この記事では「極み昆布水」という看板メニューがどんな素材の選択と失敗の積み重ねで出来上がったのかをお話しします。素材の話を入口にしながら、一人でもふらっと入れるお店の雰囲気も伝えられたら、と思っています。

こんな方におすすめ

  • ✅ 一人でラーメン屋に入るのがちょっと緊張する方
  • ✅ 昆布水つけ麺がどうやって作られているか気になる方
  • ✅ 津田沼で「ちゃんとしたラーメン」を探している方
  • ✅ 素材や製法にこだわったメニューを食べてみたい方
  • ✅ 仕事帰りやランチに、一人でさっと入れる店を探している方
極み昆布水の完成までにあった試行錯誤 | らーめん和田屋

昆布を「5種類」使う理由——最初は1種類からスタートした

昆布水をやろうと決めたとき、最初に思ったのは「昆布って何を使えばいいんだろう」という、ごく素朴な疑問でした。僕はもともと居酒屋やバーを20年近くやってきた人間で、昆布出汁は使ったことがあっても、「昆布水として主役に据える」経験はゼロでした。

最初に使ったのは真昆布1種類。水に浸けて冷蔵庫で一晩。翌日に麺を浸してみると、確かに旨みはある。でも「これをお客さんに出せるか」と聞かれたら、正直まだ足りないと感じた。旨みの幅というか、奥行きがないんです。一本調子というか、平べったい感じがした。

そこから昆布の種類を増やす試行錯誤が始まりました。利尻、羅臼、日高、がごめ——それぞれ性格が全然違う。利尻は上品でスッキリ、羅臼は濃厚でコク寄り、日高はクセがあるけど大衆的な旨み、がごめは粘りとトロみ。これを組み合わせることで「厚み」が出てくる。

最終的に5種の昆布を使う配合にたどり着くまで、何十回と水を仕込んでは飲んで、また仕込んで、を繰り返しました。比率を変えるたびに味の印象がガラッと変わる。これが面白くて、同時に怖くもあった。「どこが正解か」の答えが、なかなか自分の中で決まらなかったんです。

今では昆布の配合を変え続けた理由と、その判断軸を整理して振り返れるようになりましたが、当時は毎日手探りでした。

昆布の配合や麺との掛け合わせの話を読んでいると、「実際どんなメニューなんだろう」と気になってきませんか。極み昆布水つけ麺をはじめ、鶏清湯らーめんや鯖まぜそばなど、和田屋のメニュー全体を一覧で確認できます。注文のイメージを持ってから来店すると、カウンターでもスムーズに選べます。

らーめん和田屋のメニューを見てみる

麺との「相性」で配合が変わった——早川製麺所との共同開発

昆布水の配合が固まりかけたタイミングで、次の壁にぶつかりました。麺の問題です。

昆布水つけ麺は、麺を昆布水に浸して食べる一皿です。つまり「昆布水が美味しい」だけでは完成しない。麺が昆布水の旨みをちゃんと受け取って、口の中でひとつになるかどうかが大事になってくる。

市販の麺を何種類か試しましたが、どれも何かが惜しかった。表面がツルツルしすぎて昆布水を弾いてしまったり、逆に吸いすぎて昆布水の良さが消えてしまったり。麺のかたさや太さによって昆布水の味の感じ方も変わる。「麺はオーダーメイドでないとダメだ」と気づいたのは、そのころです。

そこから早川製麺所さんに相談しました。全粒粉入りの特注麺を一緒に開発してもらうことになり、小麦の香りをどう出すか、表面の仕上げをどうするかを何度も打ち合わせながら調整していきました。全粒粉を入れることで香りがぐっと豊かになる一方、昆布水との馴染み方も変わってくる。配合を決めた昆布水に対して麺を合わせると、また昆布水の比率を微調整したくなる。この「行ったり来たり」が、完成までに一番時間がかかった部分でした。

昆布水つけ麺の本音。麺を美味しく食べるための考え方でも触れていますが、麺と昆布水は「どちらが主役か」ではなく、対等なパートナーだと思っています。

✓ ここまでのポイント

  • 5種の昆布を使う配合は、1種類からのスタートで何十回もの試作を経て決まった
  • 昆布水の完成には、麺との相性が大きく関わっており、早川製麺所との共同開発で特注麺を使用している
  • 麺と昆布水は互いに影響し合うため、配合の調整は「行ったり来たり」の繰り返しだった

「一人でも気兼ねなく入れる設計にした」と書きましたが、実際に足を運んでみないことには伝わらない部分もあります。津田沼駅北口から徒歩3分——地図でルートを確認しておくと、仕事帰りやランチのタイミングでスムーズに立ち寄れます。

津田沼駅北口からのルートを地図で確認する

「一人でも入りやすい」と感じてもらえるのは、メニューの設計のおかげかもしれない

昆布水つけ麺を完成させていく過程で、もう一つ意識していたことがあります。それは「一人でも気兼ねなく注文できる一皿にする」ということでした。

津田沼の北口周辺には仕事終わりのサラリーマンや学生、一人でぶらっと歩いている人が多い。そういう人たちが、「ちょっと特別感のあるラーメンを食べたいけど、難しそうな店には入りにくい」と思っているのを肌で感じていました。20年この街で飲食をやってきたので、そのあたりは敏感です。

だから昆布水つけ麺は、見た目はちょっと特別でも、食べ方の説明は最小限で済むように設計しました。「まず麺を昆布水に浸して食べて、次につけ汁で食べてみてください」それだけ。小難しいルールはいらない。一人でカウンターに座って、黙々と食べていても成立する一皿にしたかった。

実際、うちのカウンター席に一人で来てくれるお客さんは本当に多いです。学生さん、会社員の方、女性一人でふらっと来てくれる方。「入ってみたら思ったより気楽だった」という声を聞くたびに、この設計は間違ってなかったと感じます。

「昆布水つけ麺が他では食べられないクオリティ」

常連のお客様より

この言葉、素直に嬉しかったです。クオリティを評価してもらえるのも嬉しいけど、それと同時に「他では食べられない」という部分に、長い試行錯誤の意味を感じました。あの膨大な失敗と仕込みと調整が、ちゃんとお客さんに伝わっているんだなと。

温度と仕込み時間——数字で管理しないと再現できない

昆布水の仕込みは、感覚だけに頼るわけにはいきません。昆布の種類と配合が決まっても、水温と浸け込む時間によって出来上がりの味がまったく変わってくるからです。

夏と冬では冷蔵庫の開け閉め頻度も違うし、昆布自体の状態も季節によって微妙に変わります。だから「何℃で何時間」という数字を決めて、毎日同じように仕込む体制を整えました。感覚で「これくらいかな」と仕込んでいた時期は、出来上がりにバラつきが出て、お客さんに出す品質として不安定だった。

昆布水つけ麺は温度管理が大切、という話でも書いていますが、美味しさを安定させるには「感覚の言語化」が必要でした。自分の感覚をいったん数字に落とし込んで、それをまた感覚で調整する。この繰り返しが、今の品質を支えています。

お客さんから見れば「今日もいつもと同じ味」なのが理想です。でもその「同じ」を維持するために、毎日細かく確認している。それがラーメン屋としての基本だと思っています。

まとめ——一人でも、ふらっと来てください

極み昆布水が完成するまでには、昆布の種類選び、配合の試行錯誤、特注麺との掛け合わせ、温度と時間の管理と、本当にたくさんの「壁」がありました。でもそのすべてが、今カウンターに座って一人で食べているお客さんの「美味しい」に繋がっていると思えば、地道な作業も楽しかった。

津田沼駅北口から歩いて3分。一人でもグループでも、ランチでも仕事帰りでも。「とりあえず食べてみようか」という気持ちで入ってきてもらえれば十分です。難しい顔をして食べるラーメンじゃないので、気楽に来てください。

営業は月曜から日曜まで、ランチは11時半から、夜は17時から23時半まで(太麺のまぜそば・つけ麺・揚げ物類は22時半ラストオーダー)。祝日は18時まで営業しています。

5種の昆布の配合も、特注麺との調整も、すべてカウンターの一席に来てもらうためにやってきたことです。JR津田沼駅北口から徒歩3分、目の前にコインパーキングもあります。まずは場所を確認して、次の「ふらっと」に備えておいてください。

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