「行きつけのラーメン屋、なかなか見つからない」——そんなふうに感じたことはありませんか。
たまたま入ったら美味しかったけど、もう一度行こうとしたら混んでいて入れなかった。何度か通っているうちに味が変わった気がした。店員さんとの距離感がどうもつかめない。「常連」になるって、意外とハードルが高いんですよね。
でも、そのハードルが低いお店もあります。今回は、津田沼のらーめん和田屋で過ごす一日を、開店前の仕込みから営業後の片付けまで丸ごと追いかけてみました。主役は店主の柳田さん。この一日を見ていると、「ここなら行きつけにできそう」という感覚が、なんとなく伝わってくると思います。
こんな方におすすめ
- ✅ 津田沼エリアで気軽に通えるラーメン屋を探している方
- ✅ 鯖まぜそばがどんなふうに作られているか知りたい方
- ✅ 一人でも入りやすいお店の雰囲気を事前に知っておきたい方
- ✅ 仕事終わりや飲み会の後にサッと寄れる店を探している方
- ✅ 「行きつけ」と呼べるお店をまだ見つけられていない方

朝の仕込み——鯖まぜそばは、この時間に全部決まる
柳田さんが厨房に入るのは、開店の2時間以上前。鯖まぜそばのタレや具材の仕込みは、昼のピークが来る前にすでに完成していなければなりません。
「仕込みっていうのは、いわば今日の試合の準備みたいなもんです。これが整っていれば、あとは出すだけ。逆に朝の時点で迷いがあると、一日通してズレが出る」と柳田さんは言います。
鯖まぜそばの仕込みで柳田さんが特に時間をかけているのが、具材ごとの「火入れのタイミングの調整」です。その日の気温や湿度によって、同じ手順でも仕上がりにわずかな差が出る。だから毎朝、少しだけ確認しながら微調整しています。
麺は鯖まぜそばのタレ作りから提供まで追いかけた記事でも触れたように、早川製麺所との共同開発による特注麺。全粒粉入りで、小麦本来の香りが鯖の旨みとぶつかったときの相乗効果が、このまぜそばの核心にあります。
朝の厨房は静かです。柳田さんはほとんど独り言もなく、黙々と手を動かしている。でもその表情は、どこかゆるやかで、追い詰められた感じがない。20年という経験が体に染み込んでいるからこそ、仕込みの時間が「焦り」ではなく「準備」になっているんだと感じます。
鯖まぜそばが「毎日同じ安心感」で作られていると知ると、実際に何を頼めばいいか気になってきますよね。メニューページでは、鯖まぜそばをはじめとした和田屋のラインナップをまとめてご覧いただけます。
ランチの波——「また来たよ」の常連さんが来る時間
11時30分の開店と同時に、最初のお客さんが入ってくることも珍しくありません。津田沼北口エリアで働く会社員や、近くに住む学生が多い時間帯です。
面白いのは、ランチのお客さんの中に「週3回来る人」がいること。注文しなくても「鯖まぜそばね」と通じる人がいる。柳田さんはそれを自慢げに話すわけじゃなくて、「ありがたいよね」と静かに言います。
「行きつけってさ、特別なことがあるからじゃなくて、来るたびに同じ安心感があるから成り立つと思うんですよ。だから毎日、同じクオリティで出すことだけ考えてる」
ランチの営業は15時30分まで。ピークが過ぎてからも、ぽつぽつとお客さんが入ってくる。「ラーメンのランチって、12時を過ぎたら終わりじゃないんです。13時や14時に来たいお客さんだっている。そこに応えたくて」と柳田さん。
✓ ここまでのポイント
- 鯖まぜそばの仕込みは開店2時間以上前からスタート。その日の状態に合わせた微調整が毎朝行われている
- 早川製麺所との共同開発による全粒粉入り特注麺が、鯖の旨みとの相乗効果を生んでいる
- 「毎日同じ安心感を出すこと」が、常連客との関係をつくる柳田さんの軸になっている
「一人でも入りやすい」という声が多い和田屋ですが、初めて行くときはどのルートで向かえばいいか迷うこともあります。津田沼駅北口から徒歩3分のルートを地図で確認しておくと、仕事帰りにもスムーズに立ち寄れます。
仕込み再開とディナー準備——「夜の顔」への切り替え
ランチが終わると、17時のディナー開店に向けた仕込みが始まります。夜は昼と客層が少し変わる。仕事帰りの会社員、飲み会の後に〆のラーメンを求めてくる人、ロッテの試合帰りのファンなど。
「夜って、みんなどこかほぐれてるんですよ。ランチより話しかけてきてくれる人も多い。それが好きで夜もやってるところはある」と柳田さんは笑います。
居酒屋、バー、カフェ、ハンバーグ屋——津田沼で20年間、様々な業態を経験してきた柳田さんは、昼と夜で空気を切り替えることに慣れています。「業態が変わっても、夜の客席って空気が違うんです。それをラーメン屋でも作れたらいいなと思ってて」。
ディナーのピーク前に、鯖まぜそばのタレや追加の具材を整え直します。昼に使った分の確認をしながら、夜の提供数を想定して仕込み量を調整する。この段階で初めて「今日の昼はどうだったか」が数字として見えてくる。
「一人でも入りやすくて通いやすい」
常連のお客様より
このお客様の声は、柳田さんが意識的に作ってきた空間の話をするとき、いつも思い出します。「カウンター席に一人で入ってきて、ラーメン食べて、ちょっと飲んで帰る。それが気兼ねなくできるお店にしたかった」。20席というコンパクトな規模も、一人のお客さんが「居心地いい」と感じやすいサイズ感を意識したといいます。
夜の営業——23時半まで続く、もう一つの顔
和田屋は23時半まで営業しています(太麺のまぜそばと揚げ物類は22時半ラストオーダー)。
深夜帯に入ってくるお客さんは、飲み会の後だったり、残業帰りだったり。「こんな時間にちゃんとしたラーメン食べられる店、なかなかないんですよね」という声は、柳田さんも何度も聞いています。
「夜遅くにお客さんが来てくれるってことは、他に選択肢がなかったんじゃなくて、ここに来ようと思ってくれたってことだと思うんです。その気持ちに応えたい」
夜の鯖まぜそばを頼むお客さんは、昼よりも「じっくり食べる人」が多い印象だといいます。一口目で「あ、この味だ」と感じてもらえる再現性——それが、〆ラーメンとしての信頼感につながっているのかもしれません。鶏清湯のピークタイムに密着した記事でも書きましたが、混雑する時間帯でも品質を落とさないための段取りは、この店の日課になっています。
営業後——片付けが終わって、ようやく「今日」が終わる
最後のお客さんが帰って、柳田さんはひとり片付けを始めます。麺鉢を洗い、仕込み道具を片付け、翌日の準備の段取りを頭の中で確認する。
「片付けって、実は次の日の仕込みの始まりなんですよ。何が減ったか、何が思ったより出たか、逆に残ったか。それを整理するのが片付けの時間」と柳田さんは言います。
その日の鯖まぜそばがどのくらい出たか、どの時間帯にどんなお客さんが来たか——一日のデータが、次の日の仕込み量や準備の順番に反映されていきます。20年の経験があっても、毎日同じ一日はない。だから毎晩、同じように振り返る。
片付けが終わる頃、柳田さんの表情はどこかすっきりしています。「今日も来てくれた人がいた」という、それだけでいい——そんな軽さが、長く続けてこられた理由のひとつなのかもしれません。
津田沼駅北口から歩いて3分。鶏清湯のスープを仕込む朝に密着した記事でも書いたように、この店の一日は静かに、でも確実に動いています。行きつけにしたいお店って、こういう積み重ねの上にあるんだと、取材を通じて感じました。
まとめ——鯖まぜそばの一日に、通いたくなる理由があった
朝の仕込みから営業後の片付けまで、柳田さんの一日を追いかけてみると、「行きつけ」という感覚がどこから生まれるのかが少し見えてきた気がします。
特別な演出があるわけじゃない。毎日同じ安心感を出すこと、一人でも入りやすい空間をつくること、遅い時間でも同じクオリティを保つこと——その積み重ねが、通いたくなるお店をつくっています。
津田沼で、自分だけの行きつけラーメン屋を探しているなら、一度足を運んでみてください。カウンターに座って、鯖まぜそばを頼んで——それだけで、何かが始まるかもしれません。
らーめん和田屋は、JR津田沼駅北口から徒歩3分。ランチは11時30分から、夜は23時半まで営業しています(第一日曜日は20時閉店)。
仕込みから片付けまでの一日を見てきて、「ここなら行きつけにできそう」と感じた方も多いはず。次のステップはメニューを確認して、最初の一杯を決めるところから始まります。


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