先日、カウンター越しに常連のお客様からこんな言葉をいただきました。「ここのスープって、なんで飲んだ後でも胃に重くないんですかね。リピートしちゃう理由がそこだと思って」と。
その言葉が、ずっと頭に残っていました。柳田は津田沼で20年、居酒屋・バー・カフェ・ハンバーグ屋とさまざまな業態を経験してきた人物です。らーめん和田屋を開いたのは2年前ですが、「なぜあっさりなのか」という問いへの答えは、実はずっと前から決まっていたと言います。
今回は、仕込みが佳境を迎える時間帯から営業終了まで、鶏清湯スープが一杯の器に収まるまでの工程を追いました。朝の仕込みから一杯の提供まで一日を通して追った記事とは異なり、今回はスープが「完成形」に近づく後半の時間帯と、その一杯がお客様の手に渡るまでの判断と調整に焦点を当てています。
こんな方におすすめ
- ✅ 津田沼で行きつけのラーメン屋を探している方
- ✅ 「飲んだ後に食べても胃に響かないラーメン」を求めている方
- ✅ あっさり系ラーメンがどうやって作られるか気になる方
- ✅ 店主の人柄やお店の雰囲気を知ってから来店したい方
- ✅ 一人でも通いやすい、顔なじみになれるお店を探している方

スープが「完成」と言えるまで——午前の仕込みが終わった後にやること
鶏清湯スープの仕込み自体は朝のうちに進みます。でも柳田が「スープの本当の仕上がりを確認するのはここから」と言う時間帯が、開店前の1時間です。
火を止めて静置し、余計な濁りを落としたスープを、まず温度と色で見る。次に香りを嗅ぐ。そして少量をれんげに取って口に含む——この三段階の確認を、毎日欠かさず行っています。
「鶏清湯って、味が強くない分、ブレが正直に出るんです。少し火が入りすぎると濁りが増えて、見た目じゃなくて口の中でわかる。舌触りが変わる」と柳田は言います。透明に澄んだスープを維持するために、温度管理の最終チェックに時間をかけているのはこのためです。
20年の飲食経験の中で培ったのは、「味を覚える」よりも「ズレに気づく感覚」だと柳田は話します。居酒屋でもカフェでも、毎日同じクオリティを出すことの難しさをずっと経験してきた。だからこそ、ラーメンのスープという「毎日作るもの」に対して、今でも妥協なく向き合えるのかもしれません。
なお、スープの調整そのものをより詳しく知りたい方は、毎日同じ味を出すための鶏清湯スープ調整の記録もあわせて読んでみてください。
鶏清湯スープの仕上がり確認や夕方の調整の話を読んで、「実際どんなメニューがあるんだろう」と気になってきた方もいると思います。鶏清湯らーめんのほかにも、極み昆布水つけ麺や鯖まぜそばなど、和田屋ならではのラインナップをまとめて確認できます。
11時半の開店——最初の一杯に込める緊張感
らーめん和田屋の開店は11時30分。ランチの時間帯は学生や近隣のオフィスワーカーが多く、回転も早い。でも柳田が気にしているのは、最初の一杯が「今日の基準」になるということです。
「最初に出した一杯が、その日のスタートラインになる。お客様の反応を見て、今日のスープのコンディションを掴む感じです」
カウンター越しにお客様の表情を見ながら、一口目の反応を確認する。無言でも、スプーンの動き方やうなずき方でわかると言います。20席という規模だからこそできる、距離の近い接客です。
津田沼では珍しいあっさり系の鶏清湯らーめんを出し始めた当初、「こってりじゃないのか」という反応もあったそうです。でも今は、「一人で昼に来て、スープを全部飲んで帰る」というお客様が増えた。それが柳田にとって、方向性が正しかったと感じる瞬間だと言います。
✓ ここまでのポイント
- 鶏清湯スープの完成確認は「開店前の三段階チェック」で行われており、温度・色・口当たりの微妙なブレを見極めている
- 20年の飲食経験から培われた「ズレに気づく感覚」が、毎日のクオリティを支えている
- 最初の一杯を基準に当日のコンディションを把握する——カウンター20席の近距離感がそれを可能にしている
「飲んだ後にちょうどいい」という常連さんの声が気になった方に、実際に足を運ぶ際のルートをお伝えします。JR津田沼駅北口から徒歩3分、目の前にコインパーキングもあります。
夕方の営業切り替え——「飲んだ後の〆」に向けてスープを整える
17時からディナー営業が始まります。ランチとディナーの間の時間は、スープを継ぎ足すタイミングでもあります。ここで重要なのは、「一日のスープの流れを途切れさせない」こと。
継ぎ足す際も、温度・量・味のバランスを再確認する。そして夕方以降に増えてくる「飲んだ後のお客様」に合わせて、よりスープのキレを意識した調整を行うのだそうです。
「夕方から夜にかけては、お酒を飲んできた方が多くなる。そういうお客様には、胃に寄り添うあっさりさが特に響くんです。重くなく、でもちゃんと満足感がある。その塩梅が難しくて、でもそこが一番大事なところでもある」
「飲んだ後にちょうどいい味でリピートしている」
常連のお客様
この声は、柳田が夕方の調整で一番意識していることと、そのまま重なります。お酒の後に食べる一杯が「重くない」のは、偶然ではなく、意図的にそう設計されているからです。
津田沼駅北口の歓楽街という立地も、このコンセプトに合っていると柳田は言います。飲み会の後、もう一軒寄る気力はないけれど、どこかに寄りたい——そういう夜に、らーめん和田屋が選ばれるお店でありたいと。
ピークを過ぎてから——23時台のカウンターで起きていること
夜のピーク時間が落ち着いた23時前後、カウンターにぽつぽつと人が座り始めます。一人で来る方が多い時間帯です。
柳田がこの時間帯に変えることは何もありません。スープの温度管理、器の温め、盛り付けのテンポ——昼と同じ動きを繰り返す。それが「いつ来ても同じ味」につながると考えているからです。
「一人で来やすい店にしたかった、というのは最初から決めていたことで。カウンターに一人で座って、スープを飲んで、ちょっとほっとして帰れる。そういう場所があってもいいと思っていたんです」
女性の一人来店も最近増えてきたと言います。23時半まで営業しているのは、仕事終わりや飲み会後に立ち寄れるお客様のためでもあります。「閉まってた」という経験をさせたくない、という柳田の考え方が、この営業時間に表れています。
なお、鶏清湯を初めて食べるお客様の反応を追った記事では、一杯目を口にしたときのリアクションが詳しくまとめられています。「どんな味か気になるけど来たことがない」という方には、読んでから来店いただくのもおすすめです。
閉店後——翌日の一杯のために残すこと
営業終了後、柳田が必ず行うのは「今日のスープの記録」です。具体的な数値ではなく、今日の仕上がりはどうだったか、何が良くて何が足りなかったかを自分の言葉で残す。
「毎日やっていると、ある程度パターンが見えてくる。でもそれに慣れると、気づかないうちにズレていくこともある。だから記録を続けることが、ズレを早く捕まえることになるんです」
千葉テレビでも取り上げられたらーめん和田屋ですが、柳田がこだわっているのは「評価された味」を守ることより、「今日来てくれたお客様においしかったと思ってもらえたか」です。そのために、毎日閉店後に翌日の準備を整える。
一日の仕込みから始まり、スープの最終確認、開店、ランチ、夕方の切り替え、深夜近くまでの営業、そして記録——この繰り返しの積み重ねが、鶏清湯の一杯として器に注がれています。
まとめ——行きつけになるお店の条件
取材を終えて感じたのは、「通いたくなるお店」の条件がこの厨房に全部詰まっているということです。毎日同じ工程で、毎日少しずつ調整して、毎日同じ味を出そうとする姿勢。それがあるから、「またあの味を食べに行こう」という気持ちになれる。
津田沼駅北口から歩いて3分。JRを降りてすぐの場所に、20席のカウンター中心のお店があります。一人でも、仕事帰りでも、飲み会の後でも、気軽に立ち寄れる行きつけを探しているなら、まずスープを一口飲んでみてください。
らーめん和田屋は月曜から日曜まで、ランチは11時30分から15時30分、ディナーは17時から23時30分まで営業しています(第一日曜日は20時閉店)。太麺のまぜそば・つけ麺・揚げ物類は22時30分がラストオーダーとなります。
閉店後まで記録を続ける柳田の話を読んで、一度その一杯を自分で確かめてみたくなった方へ。月〜日曜の23時30分まで営業しているので、仕事帰りでも飲み会帰りでも立ち寄れます。地図アプリでそのまま案内を開けます。


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